川崎市の北西部に位置する旧王禅寺村域は、ほぼ現在の麻生区の王禅寺・白山・虹が丘地区にあたります。
王禅寺村は、江戸時代の初期頃までには、麻生郷から独立して一村になり、はじめは二代将軍秀忠の婦人であるお江与の方に嫁入りの際に与えられた領地(お化粧領)でした。お江与の方と秀忠が他界した後の1632年(寛永9年)からは徳川家の菩提寺である芝増上寺の領地(御霊屋領)となりました。
昭和40年代から大規模な宅地開発が進み、かつての農村的な風景が近代的な都市景観へと大きく変換しました。しかし、なお現在、残された谷戸地や畑・山林などに昔の面影を残しています。